特定技能「物流倉庫」とは
物流倉庫分野は、令和8年(2026年)1月23日の閣議決定により、特定技能の対象分野に新たに追加された分野のひとつです。物流業界の人手不足を背景に新設されました。受入れ見込数は、令和8年度から令和10年度末までの3年間で11,400人です。(出典:分野別運用方針の主要な記載事項)
対象となる業務内容
物流倉庫分野は業務区分が1つのみで、区分分けはありません。従事できるのは、物流倉庫において、倉庫内で行われる貨物の入出庫・保管その他の倉庫内各種作業です。なお、包装されていない食品に直接触れる業務には従事できません。(出典:物流倉庫分野の運用方針(別紙12)/物流倉庫分野の運用要領別冊)
事務所への連絡・報告、作業場所の整理整頓・清掃、台風接近時の貨物移動や雨水侵入防止措置といった関連業務にも付随的に従事できますが、関連業務のみに従事することは認められません。(出典:物流倉庫分野の運用方針(別紙12)/物流倉庫分野の運用要領別冊)
【重要】2026年10月14日時点では、まだ受入れができません
物流倉庫分野は制度としては新設されましたが、2026年10月14日時点で次の2点がまだ整っていないため、実務上の受入れルートがまだ存在しません。
- 試験が未実施:物流倉庫分野特定技能1号評価試験は、試行試験を令和8年2月末までに終え、適正性の了承手続きが進んでいますが、開始時期は「調整中であり未定」です(国土交通省、令和8年8月時点)。試験実施要領も調整中です
- 協議会が未設置:受入れ企業の要件になっている協議会は、特定技能・育成就労のいずれも「設置に向けて調整中」で、加入要件・提出書類・受付開始時期はすべて未定です(同上)
- (参考)運用要領別冊(詳細ルール):特定技能の運用要領別冊(物流倉庫分野の基準について)は、2026年9月18日に公表されました。育成就労側の「物流倉庫分野の基準について」は令和8年8月28日に公表されています
(出典:物流倉庫分野の運用要領別冊/出入国在留管理庁「試験関係」)
つまり、制度は決まったものの、現時点では誰も受け入れることができない準備段階です。ただし、受入れ企業の上乗せ基準を定める告示(令和8年国土交通省告示第787号)は令和8年6月26日に公布済みで、満たすべき要件そのものは確定しています。試験・協議会の整備が進み次第、この記事を更新します。(出典:物流倉庫分野の運用方針(別紙12)/物流倉庫分野の運用要領別冊)
受入れ企業になれる事業者の類型
受入れ企業(特定技能所属機関)になれるのは、次の4類型のいずれかに該当する事業者です。
| 類型 | 内容 |
|---|---|
| A型 | 倉庫業法の倉庫業者(登録を受けた者)で、倉庫作業を自ら実施する者 |
| B型 | 倉庫業者が営業に使用する倉庫で、その委託を受けて倉庫作業を実施する者 |
| C-(1)型 | 貨物自動車運送事業法の一般貨物自動車運送事業者で、自ら倉庫作業を実施する者 |
| C-(2)型 | 貨物自動車運送事業法の特定貨物自動車運送事業者 |
B型(委託を受けて倉庫作業を行う事業者)の場合、倉庫業者と共同で「雇用責任協定書」を作成し、雇用の継続性を明確にする必要があります。
情報システムの利活用が要件です
物流倉庫分野には、他分野にない特徴として、入庫管理・在庫管理・出庫管理の機能を持つ情報システム(倉庫管理システム/WMS)を利活用していることが受入れの要件になっています。自社所有のシステムである必要はなく、外国人が就業する事業所でそのシステムが使える状態であれば要件を満たします。あわせて、生産性・労働安全衛生の向上に資する機器・システムを継続的に利活用し、協議会加入から1年以内に協議会へ報告することも求められます。(出典:物流倉庫分野の運用方針(別紙12)/物流倉庫分野の運用要領別冊)
その他の要件
- 物流倉庫分野特定技能外国人受入れ協議会の構成員であること(前述のとおり、協議会は2026年9月時点で未設置)
- 協議会への協力、協議が調った事項への措置
- 国土交通大臣(またはその委託を受けた者)の調査・指導への協力
- 実務経験を証明する書面を、本人の求めに応じて交付・提供すること
(出典:物流倉庫分野の運用方針(別紙12)/物流倉庫分野の運用要領別冊)
労働者派遣は禁止されており、直接雇用に限られます。(出典:物流倉庫分野の運用方針(別紙12)/物流倉庫分野の運用要領別冊)
必要な試験(準備状況)
物流倉庫分野特定技能1号評価試験という名称は決まっていますが、実施要領は調整中で、開始時期も未定です。日本語要件は、参照枠A2.2相当以上とされています。技能実習からの移行の扱いは、2026年9月18日に公表された運用要領別冊で確認する必要があります。(出典:物流倉庫分野の運用方針(別紙12)/物流倉庫分野の運用要領別冊/出入国在留管理庁「試験関係」)
特定技能2号について
物流倉庫分野は、2026年9月時点で特定技能2号の対象になっていません。(出典:物流倉庫分野の運用方針(別紙12)/物流倉庫分野の運用要領別冊)
CTCのサポート内容
株式会社CTCでは、義務的支援10項目を含む支援計画の実施をサポートしています。物流倉庫分野は、支援計画の委託先となる登録支援機関側にも固有の要件が定められる見込みのため、支援委託をご検討の際は個別にご相談ください。詳しくはサービス内容のページをご覧ください。
よくある質問
今すぐ物流倉庫分野で特定技能外国人を採用できますか?
できません。試験・協議会が未整備のため、2026年9月時点で受入れルートは存在しません(特定技能の運用要領別冊は2026年9月18日に公表されています)。
今のうちに準備できることはありますか?
自社が4類型(A型・B型・C-(1)型・C-(2)型)のどれに該当するかの確認、倉庫管理システム(WMS)の導入・整備状況の確認をおすすめします。
特定技能2号への移行はできますか?
できません。物流倉庫分野は特定技能2号の対象になっていません。
制度の進捗はいつ分かりますか?
試験開始時期や協議会の設置は国土交通省のページで随時更新される予定です。当社でも最新情報が入り次第、この記事を更新します。
まとめ
物流倉庫分野は2026年に新設されたばかりで、現時点ではまだ受入れができない準備段階です。試験・協議会の整備を待つ間に、自社の事業者類型の確認や倉庫管理システムの整備を進めておくことをおすすめします。物流倉庫分野での人材確保をご検討の企業様は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 物流倉庫分野の運用方針(別紙12、令和8年1月23日閣議決定)(出入国在留管理庁)
- 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-物流倉庫分野の基準について-(令和8年9月18日公表)(出入国在留管理庁)
- 物流倉庫分野における特定技能外国人・育成就労外国人の受入れについて(国土交通省)
本記事は2026年10月15日時点で一次資料と照合しています。
関連する分野
- 特定技能「自動車運送業」:トラック・バス・タクシーの運転が対象。倉庫内作業ではなく輸送を任せる場合はこちらで、すでに受入れが可能です
- 特定技能「資源循環」:廃棄物の中間処理が対象。物流倉庫と同じく、2026年9月時点ではまだ受入れができない準備段階の分野です
制度の詳細な論点整理は、専門家向けコラム「特定技能、令和8年1月23日改定の反映タイムラグ問題」「特定技能の受入れ見込数・人数枠、実務で誤解されやすい4つの論点」もあわせてご覧ください。
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