特定技能「木材産業」とは
木材産業分野は、2024年3月29日の閣議決定により、特定技能の対象分野に新たに追加された4分野のひとつです。製材・合板製造業界の人手不足を背景に新設されました。受入れ見込数は、令和6年度から令和10年度末までの5年間で4,500人です。(出典:出入国在留管理庁「令和6年3月29日の閣議決定等に関する情報」/分野別運用方針の主要な記載事項)
対象となる業務内容
木材産業分野は業務区分が1つのみで、区分分けはありません。従事できるのは、製材業・合板製造業等に係る木材の加工等です。
原材料(原木・資材等)の調達・受入れ、製品の検査工程、製品の出荷(運搬・梱包・積込み等)、作業場所の整理整頓・清掃といった関連業務にも付随的に従事できますが、関連業務のみに従事することは認められません。(出典:木材産業分野の運用方針(別紙18)/木材産業分野の運用要領別冊)
【重要】対象となるのは日本標準産業分類の指定業種です
木材産業分野で特定技能外国人を受け入れるには、事業所が日本標準産業分類の次のいずれかの分類に該当している必要があります。
| 分類 | 分類名 |
|---|---|
| 小分類121 | 製材業、木製品製造業(一般製材業/単板(ベニヤ)製造業/木材チップ製造業/その他の特殊製材業) |
| 細分類1222 | 合板製造業 |
| 細分類1223 | 集成材製造業 |
| 細分類1224 | 建築用木製組立材料製造業(プレカット製造業) |
| 細分類1227 | 銘木製造業 |
| 細分類1228 | 床板製造業 |
(出典:木材産業分野の運用方針(別紙18)/木材産業分野の運用要領別冊)
自社の事業がこれらの分類に該当するかどうかの確認が、受入れの第一歩になります。
その他の受入れ企業側の要件
協議会への加入手続きは2段階です。まず全国木材組合連合会(全木連)に「安全規範取組状況チェックシート」を提出して確認証を取得し、そのうえで林野庁木材産業課に入会申請(定款等・機械設備一覧表・全木連の確認証を添付)を行うことで、構成員資格証明書が交付されます。加入は在留資格の申請前に必要です。(出典:林野庁「木材産業特定技能・育成就労協議会」/全国木材組合連合会「安全規範取組状況の確認」)
このほか、次を満たす必要があります。
- 「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範」に基づく取組を行っていること:協議会加入時、および加入後2年ごとに全木連の確認を受ける必要があります(母国語での作業手順説明、安全標識の多言語化等の取組が求められます)
- 協議会において協議が調った措置を講じること、協議会・農林水産省への協力
- 相談・苦情対応は、外国人が十分に理解できる言語での対応が義務付けられています
労働者派遣は禁止されており、直接雇用に限られます。また、労働法令違反や非自発的離職者の発生等の欠格事由に該当すると、事由に応じて1年または5年の受入れ停止となります。(出典:木材産業分野の運用方針(別紙18)/木材産業分野の運用要領別冊)
必要な試験
特定技能「木材産業」を取得するには、次をクリアする必要があります。
- 木材産業特定技能1号測定試験(令和8年1月23日の分野別運用方針では「木材産業特定技能1号評価試験」)(実施:一般社団法人全国木材組合連合会):学科(一般・専門)と実技のペーパーテスト。受験資格は満17歳以上(インドネシア国籍は満18歳以上)
- 日本語能力の証明:国際交流基金日本語基礎テストA2.2相当以上、またはJLPT N4以上
この試験は国内だけでなく、海外(インドネシア等)でも実施されています。林業分野のように国内試験に限定されておらず、受験前の特別教育受講といった前提条件もないため、海外から新規に人材を採用するルートが実務上使いやすい分野です。
全国木材組合連合会の公表結果によると、木材産業特定技能1号測定試験の合格率は、2024年度から2026年8月実施分までの累計で約52%(受験者789人中413人合格)です。国内は約57%、海外(インドネシア)は約50%で、累計では大きな差はありません。ただし1回あたりの受験者数が少ないこともあり、回ごとの合格率は3割台から10割まで大きく振れています。令和7年度の試験実施状況報告書(令和8年10月7日)では、令和7年度の合格率は約51%(受験者419名、合格者212名)とされています。(出典:令和7年度木材産業分野特定技能評価試験実施状況報告書)
技能実習2号を良好に修了した人材は試験免除の対象になりますが、修了した職種によって免除の範囲が異なるため、個別の確認をおすすめします。(出典:木材産業分野の運用方針(別紙18)/木材産業分野の運用要領別冊)
特定技能2号について
木材産業分野は、特定技能2号の対象になっていません。1号(在留期間最長5年・家族帯同不可)のみの分野です。(出典:木材産業分野の運用方針(別紙18)/木材産業分野の運用要領別冊)
CTCのサポート内容
株式会社CTCでは、義務的支援10項目を含む支援計画の実施をサポートしています。木材産業分野は、支援計画の委託先となる登録支援機関側にも固有の要件が定められているため、支援委託をご検討の際は個別にご相談ください。詳しくはサービス内容のページをご覧ください。
よくある質問
自社が対象業種に含まれるか、どう確認すればよいですか?
日本標準産業分類の6つの分類(製材業、合板製造業、集成材製造業等)のいずれかに該当するかどうかで判断します。個別の確認をおすすめします。
海外にいる人材を採用できますか?
可能です。木材産業分野は技能測定試験が海外(インドネシア等)でも実施されており、海外からの新規採用ルートが使いやすい分野です。
技能実習からの移行はできますか?
技能実習2号を良好に修了していれば試験免除の対象になりますが、修了した職種によって範囲が異なるため、個別の確認が必要です。
特定技能2号への移行はできますか?
できません。木材産業分野は特定技能2号の対象になっていません。
まとめ
木材産業分野は、対象業種の確認と協議会加入の2段階手続きが必要な一方、海外からの新規採用ルートが使いやすい点が特徴です。まずは自社の事業が対象業種に該当するかの確認から始めることをおすすめします。木材産業分野での人材確保をご検討の企業様は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 木材産業分野の運用方針(別紙18、令和8年1月23日閣議決定)(出入国在留管理庁)
- 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-木材産業分野の基準について-(出入国在留管理庁)
- 木材産業特定技能・育成就労協議会(林野庁)
- 令和7年度木材産業分野特定技能評価試験実施状況報告書(林野庁)
本記事は2026年10月15日時点で一次資料と照合しています。
関連する分野
- 特定技能「林業」:育林・素材生産等が対象。受入れ企業が法令上の認定事業者に限られ、試験も国内実施のみという違いがあります
- 特定技能「工業製品製造業」:金属加工や機械組立て等が対象。木材以外の製造業はこちらの分野になります
制度の詳細な論点整理は、専門家向けコラム「登録支援機関への委託要件、特定技能19分野を4つの型で横断整理」「木材産業分野の協議会加入、2段階手続きの実務フロー」もあわせてご覧ください。
まずは無料相談を。お気軽にお問い合わせください

