特定技能「飲食料品製造業」とは
飲食料品製造業は、2019年の特定技能制度創設時から対象となっている分野のひとつです。令和7年12月末時点で在留者数95,644人(構成比24.5%)と、特定技能19分野の中で最も受入れが多い分野です(2位は介護の67,871人)。(出典:農林水産省「飲食料品製造業における外国人の受入れについて」p.8)
対象となる業務内容
特定技能「飲食料品製造業」の外国人材が従事できるのは、酒類を除く飲食料品の製造・加工・安全衛生管理業務です。食品工場での製造ラインや、青果物加工・鮮魚加工・食肉加工・ベーカリー製造・そう菜製造などが対象です。
なお、分野別運用方針には「水産加工業」の区分も設けられており、令和9年4月1日以降は「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分けて運用されます。
従事できるのは、飲食料品の製造・加工と、それに付随する関連業務(原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事業所の管理など)で、専ら関連業務に従事することは認められません。スーパーマーケットで受け入れる場合は、販売業務に従事させない旨の誓約書の提出が必要です。(出典:飲食料品製造業分野の運用方針(別紙15)/飲食料品製造業分野の運用要領別冊(令和8年8月28日一部改正))
2024年7月:スーパーのバックヤードが対象に追加
2024年7月23日の農林水産省告示により、食料品製造を行う総合スーパーマーケット・食料品スーパーマーケットのバックヤードでの業務が、飲食料品製造業分野の受入れ対象に追加されました。食料品の製造を行っていないスーパーは対象外です。
対象になったことで、スーパー内での惣菜製造・鮮魚加工・食肉加工といった業務にも特定技能外国人が従事できるようになっています。スーパーでの受入れには、通常の要件に加えて、協議会加入時に「販売業務に従事させない」旨の誓約書の提出が必要です。バックヤードでの製造・加工業務のみが対象で、関連業務としても販売業務への従事は認められません。(出典:出入国在留管理庁「令和6年3月29日の閣議決定等に関する情報」/飲食料品製造業分野の上乗せ基準告示)
2026年4月:食肉小売業が対象に追加
2026年4月15日の改正により、食肉小売業(製造を伴うもの)が新たに対象事業所に加わりました。あくまで対象となる業種の追加であり、「製造が主業務であれば小売業種を問わず兼任できる」という一般的なルールが設けられたわけではない点に注意が必要です。対象になるのは、あくまで告示で個別に指定された業種・事業所に限られます。
必要な試験
特定技能「飲食料品製造業」を取得するには、次をクリアする必要があります。
- 飲食料品製造業特定技能1号評価試験:食品製造・加工に関する知識・技能を問う試験
- 日本語能力の証明:国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験(JLPT)N4以上
出入国在留管理庁が公表する試験実施状況報告書によると、1号評価試験の合格率は、令和6年度(2024年度)実施分でおおむね5割弱です。国内実施分も同程度で、前年度(6割台半ば)からは低下しています。令和7年度の試験実施状況報告書(令和8年10月7日)では、1号試験の合格率は52.9%、2号試験の合格率は55.0%とされています。(出典:令和6年度飲食料品製造業特定技能測定試験実施状況報告書/令和7年度飲食料品製造業特定技能評価試験実施状況報告書)
飲食料品製造業分野に移行可能な職種の技能実習2号を良好に修了している場合、これらの試験が免除されます。免除の証明には、技能実習2号修了時の技能評価試験(専門級程度)の実技試験合格証、または実習実施者が作成した評価調書の提出が必要です。(出典:飲食料品製造業分野の運用要領別冊)
特定技能2号への移行
飲食料品製造業は特定技能2号の対象分野です。「飲食料品製造業特定技能2号評価試験」の合格と、工程を管理する者としての実務経験2年以上により、1号から2号への移行が可能になります。2号は在留期間の上限がなく、家族の帯同も可能です。受入れ人数が最も多い分野だけに、長期雇用を見据えた2号への育成を検討する企業も増えています。
また、2号の日本語能力として、「日本語教育の参照枠」のB1相当以上が求められます(運用要領では令和9年4月1日以降)。(出典:飲食料品製造業分野の運用要領別冊)
受入れ企業側の要件
特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、他分野と同様の基準(労働・社会保険関係法令の遵守、適正な雇用契約、支援計画の実施体制など)に加え、次を満たす必要があります。
- 対象事業所が、食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)の構成員であること(在留諸申請前の加入が必要)
- 日本標準産業分類に基づき、飲食料品の製造・加工を行う事業所に該当すること
- スーパーのバックヤードでの受入れの場合、「販売業務に従事させない」旨の誓約書を提出していること
(出典:飲食料品製造業分野の運用要領別冊)
CTCのサポート内容
株式会社CTCでは、義務的支援10項目を含む支援計画の実施を、登録支援機関として一貫してサポートしています。詳しくはサービス内容のページをご覧ください。
よくある質問
スーパーのバックヤードでも受入れは可能ですか?
2024年7月の改正により、食料品製造を行うスーパーマーケットに限り可能になりました。食料品の製造を行っていないスーパーは対象外です。また販売業務との誓約書提出など、通常の食品工場とは異なる手続きが必要です。
精肉店であれば無条件で受入れは可能ですか?
食肉小売業は2026年4月15日から新たに対象に加わりましたが、あくまで告示で指定された業種としての追加です。製造を伴わない小売専門の事業所は対象外となるため、事業内容の確認が必要です。
技能実習からの移行はできますか?
飲食料品製造業分野に移行可能な職種の技能実習2号を良好に修了していれば、試験が免除され特定技能への移行が可能です。
まとめ
飲食料品製造業は、特定技能19分野の中で最も受入れ実績が多い分野です。2024年のスーパー解禁、2026年の食肉小売業の追加と、対象事業所が段階的に広がっています。一方で、対象となるのは告示で個別に指定された業種・事業所に限られるため、自社が該当するかの確認が重要です。飲食料品製造・加工分野での外国人材採用を検討されている企業様は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 飲食料品製造業分野の運用方針(別紙15、令和8年1月23日閣議決定)(出入国在留管理庁)
- 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-飲食料品製造業分野の基準について-(令和8年8月28日一部改正)(出入国在留管理庁)
- 飲食料品製造業分野の上乗せ基準告示(農林水産省)
- 飲食料品製造業分野における外国人材の受入れ拡大について(農林水産省)
- 令和7年度飲食料品製造業特定技能評価試験実施状況報告書(農林水産省)
本記事は2026年10月14日時点で一次資料と照合しています。
関連する分野
制度の詳細な論点整理は、専門家向けコラム「特定技能の受入れ見込数・人数枠、実務で誤解されやすい4つの論点」もあわせてご覧ください。
まずは無料相談を。お気軽にお問い合わせください

