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特定技能「宿泊」とは?業務内容・必要な試験・受入れ要件を解説

対象施設の条件、2号への移行要件を解説

特定技能「宿泊」とは

宿泊分野は、2019年の特定技能制度創設時から対象となっている分野のひとつです。インバウンド需要の回復以降、人手不足が特に深刻な業種として、特定技能外国人の受入れが急増しています。

対象となる業務内容

特定技能「宿泊」の外国人材が従事できるのは、フロント業務・企画/広報業務・接客業務・レストランサービス業務など、宿泊サービスの提供全般です。清掃やベッドメイキングといった関連業務にも、日本人従業員と同様の範囲で付随的に従事できます。

ただし、関連業務(清掃等)のみに専従させることはできません。あくまで宿泊サービス全般への従事が前提で、清掃業務だけを担当させる配置は在留資格の目的と合わないため避ける必要があります。また、経営方針の策定や人事管理、外部営業活動といった高度な裁量を伴う業務は対象外です。

宿泊施設が対象とするのは、旅館業法第2条第2項に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けた施設です。同じ旅館業法の許可でも、簡易宿所営業(ゲストハウス・カプセルホテル等)や下宿営業は対象に含まれません。住宅宿泊事業法に基づく民泊も、旅館・ホテル営業の許可を受けていないため対象外です。(出典:宿泊分野の運用方針(別紙9)/宿泊分野の運用要領別冊)

必要な試験

特定技能「宿泊」を取得するには、次をクリアする必要があります。

  1. 宿泊分野特定技能1号評価試験(実施:一般社団法人宿泊業技能試験センター):フロント業務・企画広報業務・接客業務・レストランサービス業務・安全衛生等に関する知識を問う試験。学科試験30問・実技試験6問(いずれも3択)
  2. 日本語能力:「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上(証明に使える試験:国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験(JLPT)N4以上)

宿泊業技能試験センターの公表結果によると、1号評価試験の合格率は、2025年度(2025年4月〜2026年3月)実施分でおおむね6割台半ばです。国内実施分は6割程度で、実施国によって差があります。令和7年度の試験実施状況報告書(令和8年10月7日)では、1号試験の合格率は67%程度、2号試験の合格率は39%程度とされています。(出典:令和7年度宿泊分野特定技能評価試験実施状況報告書)

宿泊分野の技能実習(2020年開始)を良好に修了した人材は、これらの試験が免除されます。(出典:宿泊分野の運用方針(別紙9)/宿泊分野の運用要領別冊)

特定技能2号への移行

宿泊分野は、2023年6月9日の閣議決定により特定技能2号の対象に追加されています。2号評価試験は学科試験50問・実技試験20問(いずれも4択)で、1号より高度な内容です。2号は在留期間の上限がなく、家族の帯同も可能です。(出典:出入国在留管理庁資料(特定技能2号の対象分野の拡大))

2号では、試験の合格に加えて、宿泊施設で複数の従業員を指導しながら業務に従事した実務経験が必要です。また、2号の日本語能力として、分野別運用方針では「日本語教育の参照枠」のB1相当以上が定められています。(出典:宿泊分野の運用方針(別紙9)/宿泊分野の運用要領別冊)

受入れ企業側の要件

特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、次のような基準を満たす必要があります。

  • 旅館業法に基づく「旅館・ホテル営業」の許可を取得していること
  • 雇用契約が適正であること(報酬額が日本人と同等以上など)
  • 直接雇用であること(派遣での受入れは不可)
  • 5年以内に出入国・労働法令違反がないこと
  • 1号特定技能外国人支援計画を実施できる体制があること(登録支援機関への委託も可能)
  • 宿泊分野特定技能協議会への加入(2024年6月15日から、在留諸申請前に必須)
  • 風営法第2条第6項第4号に規定する施設(ラブホテル等)に該当しないこと
  • 特定技能外国人に風営法第2条第3項の「接待」を行わせないこと

(出典:宿泊分野の運用方針(別紙9)/宿泊分野の運用要領別冊)

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よくある質問

客室清掃だけを担当してもらうことはできますか?

できません。清掃は付随業務として従事できますが、それのみに専従させることは認められていません。フロント業務や接客など、宿泊サービス全般に従事してもらう必要があります。

民泊(住宅宿泊事業)でも受入れは可能ですか?

できません。住宅宿泊事業法に基づく民泊は対象外で、旅館業法第2条第2項の「旅館・ホテル営業」の許可を持つ施設が対象です。

宿泊施設内のレストランでも働けますか?

可能です。レストランサービス業務は宿泊分野の業務範囲に含まれます。

まとめ

宿泊分野は、特定技能2号にも対応しており、長期的な雇用を見据えた採用がしやすい分野です。一方で、業務範囲の線引きや協議会加入など、受入れ側が押さえるべき要件も複数あります。宿泊施設での外国人材採用を検討されている企業様は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

本記事は2026年10月15日時点で一次資料と照合しています。

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制度の詳細な論点整理は、専門家向けコラム「特定技能の受入れ見込数・人数枠、実務で誤解されやすい4つの論点」もあわせてご覧ください。

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