特定技能「農業」とは
農業分野は、2019年の特定技能制度創設時から対象となっている分野のひとつです。担い手の減少・高齢化を背景に、特定技能外国人の受入れが進んでおり、令和7年12月末時点で39,234人が農業分野で在留しています(特定技能全分野合計390,296人)。受入れ見込数は、令和6年度から令和10年度末までの5年間で7万3,300人です。(出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」/分野別運用方針の主要な記載事項)
対象となる業務内容
特定技能「農業」の外国人材が従事できるのは、耕種農業全般・畜産農業全般、およびその関連業務です。関連業務としては、農畜産物の製造・加工、運搬、販売の作業のほか、冬場の除雪作業なども付随的に認められています。(出典:農業分野の運用方針(別紙13)/農業分野の運用要領別冊)
特定技能2号では、複数の技能者を指導しながら栽培管理等の作業に従事し、工程を管理する業務に従事します。
農業・漁業だけに認められた「派遣雇用」
特定技能は直接雇用が原則ですが、農業と漁業の2分野に限り、派遣形態での雇用が認められています。農業には季節による繁閑差があり、作物の種類や産地によって繁忙期が異なるため、必要な時期に必要な労働力を確保できるよう、例外的に派遣が認められています。
派遣形態では、特定技能所属機関は派遣元(人材派遣会社等)になります。派遣元・派遣先それぞれに次の要件があります。
- 派遣元:農業現場の実情を把握しており、特定技能外国人の受入れを適正かつ確実に遂行するために必要な能力を有していること
- 派遣先:労働者を6か月以上雇用した経験がある者、または派遣先責任者講習等を受講した者を派遣先責任者とすること
(出典:農業分野の運用方針(別紙13)/農業分野の運用要領別冊)
同じ一次産業では、特定技能「漁業」も農業と同様に、派遣形態での受入れが認められています。一方、特定技能「林業」は同じ一次産業でも労働者派遣が認められておらず直接雇用に限られるため、繁閑差への対応方法が異なる点に注意が必要です。
受入れ企業側の要件(直接雇用の場合)
特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、他分野と同様の基準に加え、次を満たす必要があります。
- 労働者を6か月以上雇用した経験、またはこれに準ずる経験があること:「これに準ずる経験」とは、6か月以上継続して労務管理に関する業務(賃金・労働時間の計算、社会保険などの福利厚生に関する業務等)に従事した経験を指します。
- 在留資格の申請前に、農業特定技能協議会の構成員になること:申請の際、構成員であることを明らかにする書類の提出が必要です。
(出典:農業分野の運用方針(別紙13)/農業分野の運用要領別冊)
必要な試験
特定技能「農業」を取得するには、次をクリアする必要があります。
- 農業技能測定試験(令和8年1月23日の分野別運用方針では「農業特定技能1号評価試験」):試験区分は「耕種農業全般」「畜産農業全般」の2つに分かれ、従事する業務に対応する区分に合格する必要があります(両方の業務に従事する場合は両方の合格が必要)
- 日本語能力の証明:国際交流基金日本語基礎テスト、またはJLPT N4以上
全国農業会議所の公表結果によると、1号試験の合格率は、2026年8月実施分の国内で、耕種農業全般がおおむね8割台半ば、畜産農業全般がおおむね9割台です。令和7年度の試験実施状況報告書(令和8年10月7日)は本文に合格率の数字を示していませんが、別紙の実施結果を合計すると、1号試験は耕種農業全般が89.6%(受験27,162人中合格24,328人)、畜産農業全般が95.1%(受験7,438人中合格7,072人)です。同じ農業分野でも区分によって差がある点に注意が必要です。(出典:令和7年度農業分野特定技能評価試験実施状況報告書)
技能実習2号(耕種農業:施設園芸・畑作野菜・果樹、畜産農業:養豚・養鶏・酪農)を良好に修了した人材は、これらの試験が免除されます。(出典:農業分野の運用方針(別紙13)/農業分野の運用要領別冊)
特定技能2号への移行
農業分野は、2023年6月の制度改正で特定技能2号の対象になりました。2号農業技能測定試験(同じく運用方針では「農業特定技能2号評価試験」)の合格に加えて、次のいずれかの実務経験が必要です。(出典:出入国在留管理庁資料(特定技能2号の対象分野の拡大))
- 複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(職長)としての実務経験
- 農業の現場における実務経験
また、2号の日本語能力として、分野別運用方針では「日本語教育の参照枠」のB1相当以上が定められています。(出典:農業分野の運用方針(別紙13)/農業分野の運用要領別冊)
2号は在留期間の上限がなく、家族の帯同も可能です。
CTCのサポート内容
株式会社CTCでは、義務的支援10項目を含む支援計画の実施を、登録支援機関として一貫してサポートしています。詳しくはサービス内容のページをご覧ください。
よくある質問
派遣で農業分野の外国人材を受け入れることはできますか?
可能です。特定技能で派遣形態が認められているのは、農業と漁業の2分野だけです。ただし派遣元・派遣先の双方に要件があります。
労働者の雇用経験がない場合、受入れはできませんか?
6か月以上の雇用経験に準ずるものとして、労務管理業務の経験も認められています。詳しい該当性は個別に確認が必要です。
技能実習からの移行はできますか?
技能実習2号(耕種農業・畜産農業の対象職種)を良好に修了していれば、試験が免除され特定技能への移行が可能です。
まとめ
農業分野は、派遣雇用が認められている点が他分野と大きく異なります。繁忙期対応から長期雇用まで、経営形態に応じた受入れ方を選べます。農業人材の確保にお困りの農業経営体様は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 農業分野の運用方針(別紙13、令和8年1月23日閣議決定)(出入国在留管理庁)
- 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-農業分野の基準について-(令和7年6月6日一部改正)(出入国在留管理庁)
- 特定技能在留外国人数の公表等(出入国在留管理庁)
- 令和7年度農業分野特定技能評価試験実施状況報告書(農林水産省)
本記事は2026年10月15日時点で一次資料と照合しています。
関連する分野
- 特定技能「漁業」:漁業・養殖業が対象。農業と同じく、派遣による受入れが認められている数少ない分野です
- 特定技能「飲食料品製造業」:飲食料品の製造・加工が対象。収穫後の加工工程はこちらの分野になります
まずは無料相談を。お気軽にお問い合わせください

