特定技能「造船・舶用工業」とは
造船・舶用工業分野は、2019年の特定技能制度創設時から対象となっている分野のひとつです。制度創設当初から特定技能2号の対象になっている分野で、造船業の技能継承と人材確保が課題となる中、特定技能外国人の受入れが進んでいます。受入れ見込数は、令和6年度から令和10年度末までの5年間で2万3,400人です。(出典:分野別運用方針の主要な記載事項)
業務区分:6区分から3区分に再編
造船・舶用工業分野の業務区分は、令和6年3月29日の閣議決定により、旧6区分から造船・舶用機械・舶用電気電子機器の3区分に再編されています。検索すると今も旧区分の情報が多く出てきますが、現行は以下の3区分です。(出典:出入国在留管理庁「令和6年3月29日の閣議決定等に関する情報」)
| 旧区分(〜2024年3月) | 再編後の区分 |
|---|---|
| 溶接 | 造船・舶用機械 |
| 塗装 | 造船・舶用機械 |
| 鉄工 | 造船・舶用機械 |
| 仕上げ | 舶用機械 |
| 機械加工 | 舶用機械・舶用電気電子機器 |
| 電気機器組立て | 舶用電気電子機器 |
旧区分に基づき在留許可を受けている人材、または旧区分の試験に合格した人材は、その旧区分が含まれる新区分のすべての業務に従事できる経過措置が設けられています。
対象となる業務内容
- 造船区分:溶接、塗装、鉄工、とび、配管、船舶加工
- 舶用機械区分:溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、配管、鋳造、金属プレス加工、強化プラスチック成形、機械保全、舶用機械加工(鋳造・金属プレス加工・強化プラスチック成形は、令和8年1月23日の分野別運用方針で加わった作業です)
- 舶用電気電子機器区分:機械加工、電気機器組立て、金属プレス加工、電子機器組立て、プリント配線板製造、配管、機械保全、舶用電気電子機器加工
(出典:造船・舶用工業分野の運用方針(別紙6)/造船・舶用工業分野の運用要領別冊)
受入れ企業側の要件
特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、他分野と同様の基準に加え、次の分野特有の要件を満たす必要があります。
- 国土交通省(海事局船舶産業課)による事業者確認:造船・舶用工業に係る事業を営む者であるかどうかの確認を受け、確認通知書の交付を受ける必要があります(有効期間は確認から5年間)。確認通知書の写しは、地方出入国在留管理局への提出が必要です。
- 造船・舶用工業分野特定技能協議会への加入:加入通知書の写しを在留資格の申請時に提出する運用のため、事実上、申請前の加入が必要です。令和6年6月15日以降、事業者確認の申請と協議会の加入申請は同時に行う必要があります(国土交通省)。
- 巡回確認機関による確認:国土交通大臣が認める巡回確認機関により、職場における特定技能外国人の安全・健康の確保、快適な職場環境の形成について確認を受ける必要があります。
(出典:造船・舶用工業分野の運用方針(別紙6)/造船・舶用工業分野の運用要領別冊)
必要な試験
特定技能「造船・舶用工業」(1号)を取得するには、次をクリアする必要があります。
- 各業務区分に対応する造船・舶用工業分野特定技能1号評価試験、または技能検定3級
- 日本語能力の証明:日本語教育の参照枠のA2.2相当以上(国際交流基金日本語基礎テスト、またはJLPT N4以上)
日本海事協会の公表結果によると、1号評価試験の合格率は、令和6年度(2024年度)から2026年2月実施分まで、おおむね9割前後で推移しています。令和7年度の試験実施状況報告書(令和8年10月7日)では、1号試験の合格率は86.4%程度、2号試験の合格率は84.1%程度とされています。ただし試験は国内でのみ実施され、受験者数が年間数十名規模と少ないため、合格率は回によって変動します。(出典:令和7年度造船・舶用工業分野特定技能評価試験実施状況報告書)
技能実習2号を良好に修了した人材は、試験が免除されます。(出典:造船・舶用工業分野の運用方針(別紙6)/造船・舶用工業分野の運用要領別冊)
特定技能2号への移行
造船・舶用工業分野は、制度創設当初から特定技能2号の対象です。3区分とも共通して、次が必要です。
- 試験:造船・舶用工業分野特定技能2号評価試験(業務区分ごと)、または技能検定1級
- 実務経験:複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての実務経験(運用要領では2年以上)
また、2号の日本語能力として、分野別運用方針では「日本語教育の参照枠」のB1相当以上が定められています。(出典:造船・舶用工業分野の運用方針(別紙6)/造船・舶用工業分野の運用要領別冊)
2号は在留期間の上限がなく、家族の帯同も可能です。
CTCのサポート内容
株式会社CTCでは、造船・舶用工業分野の特定技能外国人の受入れについて、義務的支援10項目の実施を含め、登録支援機関として一貫してサポートしています。造船・舶用工業分野では登録支援機関側にも固有の基準が定められていますが、当社はこれに対応可能です。詳しくはサービス内容のページをご覧ください。
よくある質問
旧区分(溶接・塗装等)の資格を持っていますが、そのまま働けますか?
経過措置により、旧区分に基づく在留許可や合格実績がある場合、その旧区分が含まれる新区分のすべての業務に従事できます。
事業者確認と協議会加入は別々に申請する必要がありますか?
同時に申請することも可能です。事業者確認の申請書とあわせて、協議会の加入申請書を提出できます。
巡回確認機関による確認とは何ですか?
国土交通大臣が認める機関が、職場の安全・健康確保や快適な職場環境について確認する制度です。造船・舶用工業分野特有の要件で、他分野にはありません。
技能実習からの移行はできますか?
技能実習2号を良好に修了していれば、試験が免除され特定技能への移行が可能です。
まとめ
造船・舶用工業分野は、業務区分の再編や国土交通省の事業者確認、巡回確認機関の確認など、他分野にはない独自の手続きが複数あります。早めの準備と専門家への相談をおすすめします。造船・舶用工業分野での人材確保にお困りの企業様は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 造船・舶用工業分野の運用方針(別紙6、令和8年1月23日閣議決定)(出入国在留管理庁)
- 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-造船・舶用工業分野の基準について-(出入国在留管理庁)
- 令和7年度造船・舶用工業分野特定技能評価試験実施状況報告書(国土交通省)
本記事は2026年10月15日時点で一次資料と照合しています。
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